砂漠に堕ちた天使　番外編
莉世たちが宴の場所に到着すると、召使だけが忙しく動いていた。



姫の席が上座に用意され、色とりどりのサテンのクッションなどが用意されている。



両側にも席が設けられている。



末席に一座の席があった。



女性だけの部屋なので、団長は入ることを許されておらず、後で合流する予定だ。



そこへきらびやかな女性たちが入ってきた。



彼女たちは自分たちの場所が分かるようで次々と席に着く。



最後に豪華な衣装と装飾品で着飾った姫らしき女性が入ってきた。



先に来ていた女性たちがいっせいに床に着くくらい頭を下げている。



莉世達も慌てて見習うと姫の凛とした声が響く。



「顔をあげよ」



上座に座った姫は皆の者に言うと、しずしずと顔を上げ始める。



なんだか、ずいぶん格式ばった姫だわ。



目の周りにくっきりと上がり気味に書いたライン。



真っ赤な衣装のように口紅も毒々しい赤。



莉世はひと目で好きになれないタイプだと思った。



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