【短編】保健医の憂鬱
商社マンの紹介してくれたイタリアンは
とても美味しく


ワインの手伝ってか
あっという間に
食後のデザートになってしまった


「…高宮さんは本当に素敵な方ですね。
こんな保健の先生がいる
学生たちが羨ましい。」


「ふふ…。
私なんておばさんで
生徒たちに相手にされませんわ。」


急に商社マンの瞳が私を捕える
私は臆することなく
その瞳を見つめ返した

「そんな事ない。
高宮さんは綺麗だ。」


商社マンはそう言うと
テーブルの上にある私の手に
自分の手を重ねた


来た来た来た!

これからの展開の
期待に胸を躍らせてると


~♪
携帯が彼を呼んだ

「おっと…失礼。」

彼は少し慌てた様子で席をはずしながら
通話ボタンを押した



< 14 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop