龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
そっと抱き寄せられた。


圭吾さんの髪が肌をくすぐる。


唇が触れてすぐに、わたしはとんでもない事を許した事に気づいた。


圭吾さんはゆっくりと貪るようなキスをわたしの首筋に浴びせた。

馴染みのない感覚に驚いて身を引こうとしたけど、ますます強く引き寄せられただけ。

『もうやめて』って言おうとした時、軽く肌を噛まれた。


身体が熱い


どうしていいか分からない


圭吾さんがやっと顔を上げた時、わたしは小刻みに震えて口もきけない状態だった。


膝の上に抱き上げられて


あやすように優しく髪を撫でられて


少しずつ気持ちが落ち着いていく


「嫌だった?」

圭吾さんが優しくきく。


首を横に振る


「大変だった?」


コクンとうなずく


「かわいそうに」

圭吾さんは微かに微笑んだ。

「でも、慣れてもらうよ。絶対にね。そのつもりで」

< 22 / 74 >

この作品をシェア

pagetop