龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
わたしはちょっと考えてから答えた。


「圭吾さんは大切な人」


「どのくらい?」


「誰よりも」


「じゃ、君を抱いて愛していい?」


それって、それって事?


わたしはギョッとして圭吾さんを見た。


「まだ無理みたいだね」

圭吾さんは天気の話でもするようにさりげなく言う。

「興味はある? どんな感じかな、とか。それとも怖い?」


「分かんない」


「その答はズルいぞ」


「えーと、ちょっと怖い」


「僕が相手でも?」


わたしは圭吾さんの目を見た。


「怖くない」


圭吾さんは手を延ばしてわたしの頬から首をスッと撫でた。


「ここにキスしたい」


そんなこと?


「いいわよ」
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