龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
「志鶴、君は誰のものだ?」

圭吾さんが手を握りながら言う。

「僕を好きだと言っただろう?」


「だまされないで。その男はお前を愛してなどいない。お前の魂が持つ光が欲しいだけ」

彼女の言葉が耳に、頭に響き渡る。

「ねえ、見たのよね? その娘の輝く魂を。あれだけの力を持ちながら、その娘は何の能力も持っていないのよ。なんてもったいない!」


「僕は志鶴の心の中に入れてほしいだけだ」


「きれい事を! その男の言葉は嘘よ。誰もお前を愛したりしない。お前は邪魔な子よ。ひとりぼっちなのよ」


そうなの?


もう何も分からない


幼い日々がフラッシュバックする。


ママが逝ってしまった後の孤独な日々

彼女が毎日耳元でささやく悪意の言葉


そして、あの日

彼女がわたしを手に入れようとしたあの日――


わたしは悲鳴をあげた


嫌だ 嫌だ 嫌だ


誰かがわたしを抱きしめる

逃れようと暴れた


「志鶴! 暴れないで、僕だ。圭吾だ」


圭吾……さん?


「ハクが死んだの。わたしの代わりに死んだの」

泣きながら言い続けた。

「ママのトカゲなのに、死なせてしまったの。雷が落ちたの」

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