静かな海の兄き
…息を…引き取った…?
死んだって…こと?

混乱する頭の中で

必死に理解しようとする翔

その思考の中で

さっきまで見ていた夢が

脳裏に浮かんだ


はやる鼓動をおさえ

震えた声で父に聞く

「その…兄さんの名前…は?」


「…宏史…だ。」

“ドックン”

一瞬

胸が はりさけたかのように思えた。

…宏史…?

宏史だって?

さっきの夢は…なんだったんだよ!?

夢じゃなかった…?

そんな…訳…ないよな…?

でも…

今の 父さんの話は?

その時

宏史が言った言葉が

翔の頭に響いた

《翔。
お前に会えて よかったよ。》

翔は

膝を抱え

頭をおしつけた…。
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