ただ二文字が言いたくて





べこ、と恋次は飲んでいた苺牛乳のパックを潰す




「……今更だけど、その一途さはまじで尊敬するわ」


へらっと笑う恋次


でもその笑顔の裏を知っている俺にとっては痛々しいだけだった。




「………お前だってまだ忘れられねぇくせして」



彼女のこと…、そう呟くと恋次の顔が微かに歪む




「仕方なかったんだよ、美女(ミメ)のことは…」




そう、仕方なかったんだ…。




それは自分自身に言ってるようにも見えた




恋次と気が合ったのは女遊びが激しい、…のもあったんだろうけどお互い辛い恋をしていたからだと思う。




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