天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
悲鳴など上げる暇もない。

視線に身を竦ませ、声すら上げられないほどの恐怖の中、その人影は素早く雪菜に手を伸ばす。

掴もうとしているのか。

それとも殴りつけようとしているのか。

人外とはいえ、温厚で戦闘には向いていない雪菜にはわからない。

ただ直感的に察する。

これは危険だと。

このまま何らかの傷を負わされ、私は殺されてしまうかもしれないと。

それ程の殺気を感じながらも、身じろぐ事さえ出来ないまま。

「~~~~っっ」

伸びてきた手が雪菜に触れようとした寸前!

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