初恋ディジー

私達がその後を追おうとした時。


『そういうこと平気な顔で言ってんなよ!』


……な、何?


突然聞こえてきた叫び声がそれを止めた。


『誰かが喧嘩してるっぽい!』

『ちょっと行ってみよ!』


近くにいた生徒たちが、パタパタと体育館の方へと駆けていく。


「今のってさ……」


「え、聞き間違い?」


二人は声の主に驚いたような顔をするけれど、あたしは誰なのか分からない。


「いや、あれは聞き間違いじゃない、」

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