初恋ディジー

「付けてくれるんだ?」

と私の携帯を見つめる。


「せっかく榛名くんが買ってくれたものだもん。捨てるなんてそんなこと出来るわけないよ……

それにコレ嬉しかった……大事にするから……ありがとう」


「うん。俺の方こそ付けてくれてありがとう。

あと、これは嫌だったら普通に断ってくれていいんだけど……

良かったら連絡先交換しない? ……って本当は待ち合わせの前に聞いておくべきだったんだけど」


ハハッと苦笑する榛名くんに、“いいよ”と答える。


「え?嫌じゃない?」


「全然嫌じゃない。 ……私も知りたい、榛名くんの」


それは自分なりの精いっぱいの勇気だった。
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