心はいつも、貴方とともに
「せっかく、ランバート様が好意で与えてくれた機会なんだ。
精一杯楽しまないと、逆に失礼だよ。
兄として、ミアの笑顔が見たいんだよ。」



さらり、とジークはアミリアの髪を掻きあげた。



行きたくない?と聞かれ、アミリアはぶんぶんと首を振る。



本音は、行きたい。



ジークと二人、出かけてみたい。



「…お兄様の好意に、甘えるわ。」


「うん、そうしよう。」



ジークは優しく微笑みかけてくれる。



結局、私はいつもこういう優しい人たちに甘えてしまう。



「ありがとう。」


「礼は、君の兄君に言うべきだよ。」


「会ったら丁重に言うわ。」



うん、と頷いて、ジークは立ち上がった。



そして急に改まった態度で、頭を垂れた。



「姫、そろそろお部屋に戻られた方が。」


「え…?」



どうしたの、とアミリアは戸惑う。



ちらり、とジークの目が、渡り廊下を差した。



あぁ、とその意味が呑み込める。



アミリアも同じように視線を走らせると、使用人達が歩いていた。



くすり、と笑って、差し出された手をとる。



「貴方って、こういう誤魔化しが上手いのね。」


「必要に迫られたから。
引き離されるのは、死んでも嫌だからな。」




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