心はいつも、貴方とともに
「今も2人きりだけど?」


「…そうじゃなくって。
誰の目も届かないところで、自由に歩き回れるだなんてこと、なかったから。」


「確かに。」



今だって、壁を一枚隔てた廊下を誰かが歩いているかもしれない。



姫である自分と、騎士であるジークが親しげにしている様子を見られ、変な噂が立てられる恐れもある。



その点、街で自分達を見咎める者はいないだろう。



みんな、遠目からしか自分を見たことがないだろうし、そもそも姫が城の外にいるだろうとは誰も思わないに違いない。



「明日は、自由ね。」


「あぁ、一日、普通の女の子になれるんだ。」



そっとジークの胸に頬をつける。



「貴方も、ただの男の子よ。
任務なんて忘れて、楽しめる。」


「俺の場合、任務は忘れられないよ。
ミアが怪我なんてしたら、もう2度と関わることを許されないんだから。」


「それは、嫌。
是非とも任務を遂行してくださいね、騎士さん。」



見上げると、ジークは笑って頷いた。



「ミア。」


「はい?」


「俺は今、とんでもなく幸せだ。」


「私もです。」



この幸せが、ずっと続けばいい。



誰にも介入されず、2人の静かな時間を過ごすの。



アミリアは幸せな気分をかみしめ、目を閉じた。












< 141 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop