大地くんの天気予報


「…生きてるとさ、性別って、邪魔だなって思う時があるよ。…恋をするには、性別は大きな弊害になるかもしれないけど…、誰かを愛するってことにはさ、性別なんて関係なくない?」


「関係ない…?」


「うん。…アタシ、こう見えてけっこうモテんだけどさぁ…、こんなカッコしてるからかな、たまに、女の子から真剣に告白されたりすることもあるんだよね」


「…え、そうなの?」


僕が驚いてそう言うと、風嶺さんはクスリと笑ってうなずいた。


「…でもさ、アタシ一応女じゃん?だから男みたいには、女の子を幸せにしてあげることが出来ないわけよ。でも、アタシのこと好きになってくれる気持ちは、すごく嬉しくてさ…。もう、可愛くて、愛おしくてしょうがないのに、どういう形で応えてあげればいいのかわからなくて、それがすごく悲しい」


「……」


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