幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「そういえば、ホークと今年のドレスの話をしてないや。作っちゃったかな」


「作ったんじゃない? 毎年そうだもの」


あたしは頭を抱えた。


「あたし一人で緑のドレスを着たら、バカっぽくない?」


「どうして? 他の子も着るでしょう?」


「みんな、あたしより年下だもん」


むっつりと答えると、ローズマリーがゲラゲラと笑った。

屈託のない笑い声につられて、あたしも笑った。


「ねえ、サンディ」

ひとしきり笑い終わると、ローズマリーが言った。

「あんたってば、最近ちっとも村に来ないんだもの、寂しかった」


「あんたにはショーンがいるじゃない」


あたしがそう言うと、ローズマリーはキッとあたしを睨んだ。


「サンディも大事な友達なんだよ」


「分かってる。ただ、今のあたしはお邪魔虫の気分なの」

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