幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「行商人じゃないの?」


「そうかもしれないけど……あのおばあちゃん、詮索されるの嫌うから」


「分かった。帰りにホークに確かめてもらうよ」


「わたしがどうしたって?」

不意にホークの声がした。


あたしとローズマリーが一緒に顔を上げると、目の前にホークが立っていた。


「気配を消して近づくのやめて。びっくりする」

あたしは文句を言ってから、村はずれの家の話をした。


「確かめた方がいいようだな」

ホークはそう言うと、あたしに手を差し出した。

「おいで、アレクサンドラ」


あたしはホークの手を取って立ち上がった。


「じゃあまたね、ローズマリー。たぶん次は五月祭の当日に」


「緑のドレスを楽しみにしているわ」

ローズマリーは悪戯っ子のように笑った。





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