幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
目も眩むほどの光が、辺りに満ちた。


光の向こうが揺らぎ、純白の幻獣が姿を見せる。


大きさは子馬ほど。

長いたてがみは、白というより銀色に光っている。

螺旋のような捻れのある細い一本角は、とても長く、先端は槍のように鋭い。


確かにあれに突かれたら、ひとたまりもないだろう。


真っ黒い瞳が、あたしを見据えた。


「おいで、ユニコーン」


あたしは右手を差し延べた。


ユニコーンは警戒するようにゆっくりと近づき、頭を少し傾け、冷たい鼻面をあたしの手の平に押し付けた。


森の匂いがした。


若草と樅(もみ)の木の匂いだ。


左手を伸ばし、銀のたてがみを撫でた。


ユニコーンは大きな犬のように、あたしに擦り寄った。


「ねえ、ジャルグ」

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