幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「レディ·クリスタルに王妃様を迎えに行かせたそうですね」

ホークは、王の視線の先にはお構いなしで言った。


「何だと? 命令した覚えはないぞ――ゲオルグ!」


王に呼ばれたゲオルグ卿が急いで前に出て来た。


「妹はどこだ?」


「ま、ま、ま、まだ戻っておりません」

ゲオルグ卿は、気の毒なほど平身低頭で答えた。


「捜して連れて来い! 王妃もだ!」


「まあ! それには及びませんわ」

よく通る軽やかな声と共に、<謁見の間>に入って来たのはレディ·クリスタルだった。

「ただ今戻りました」





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