幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
天窓から光が差し込んでいた。


ところどころに明かり取りの窓がある他は、壁側は全て書棚だ。

二階と三階はテラスのようになっていて、各階の書棚に手が届く。


一階の端に少し床が高くなっている場所があった。

椅子が数脚。

そして巨大なテーブル――どうやら書斎のようなスペースらしい。


「すごいね」

あたしは上を見上げながら言った。


「王城の書庫はもっと大規模だぞ」

「そうなの? この屋敷にこんな所があるなんて知らなかった」

「連れて来ようと思ったことがないからな。お前は落ち着いて書物を読む類いではないし」


まあ、そうだよね


「こちらへ」


< 31 / 289 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop