幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「そのままでも素敵だと僕は思います」

パトリックが、うつむいたまま小声で言った。


「ありがとう、パトリック」

お世辞だとしても、やはり嬉しい。

「ねえ、あなたは将来、騎士になるつもり?」


見習い従者は、従者を経て騎士になるのが普通だ。


「そうなりたいと思っています」


「他のものになろうと思った事、ある?」


「いいえ」

キッパリとした口調。

「騎士になるのは、僕の夢ですから」


迷いのない眼差しに、あたしの胸がツキンと痛んだ。







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