幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「お母さん、おはよう」


「おはよう」

母は振り向くと、顔をしかめた。

「今日は家にいた方がいいわね」


「そうする。外で顔、洗ってくるね」


あたしは裏口から外に出た。


暖かい日差しが気持ちいい。


あたしの家から少し行った所に、水が湧いている小川がある。

あたしは、欠伸をしながらそこまで歩いて行った。


最初に口を漱いだ。

春の清水はまだ冷たい。

顔を洗えば、一気にシャキッとするだろう。


う……うへぇ

思ったより冷たい!


目を閉じたまま首を振っていると、乾いた布が差し出された。

目元だけ拭いて顔を上げると――


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