【完】無愛想彼氏
「ぇ、本気…?」
「このままここにいるのは俺もごめんだ。それに」
「??」
「女が震えてるの、黙ってみてるわけにはいかねぇだろ」
「…っ///」
「岸本、ちょっと手伝って」
「…結局共犯っ」
「バァカ、ドア抑えるだけだ。壊すの俺だぞ」
岸本は両手でドアを押さえる。
そのときの岸本の表情は、なぜか楽しそうに笑っていた。
「なんでそんな楽しそうなんだよ」
「だめ?」
「さっきまで震えてたくせに」
「うっさい!//」
「いくぞー」
俺は思いっきり鍵を叩けば、見事に『ガシャン』という音がした。
ドアを引けば、さっきとは違い、綺麗に開いた。
「…ほんとに壊しちゃった」
「疑われたら、古くて自然にって言っとけ」
「無茶あるよ、それ」
「早くかえろーぜ、俺眠い」
「…マイペースな奴」
「なんか言った?」
「なんでもない!」