先生の背中 追いかけて
グランドにつくと先生が大きな声をかけて集合をかけた。

あたしはドキドキしながら先生を見つめる。


先生は｢大丈夫だよ｣と言って背中をポンと叩いてくれた。


｢よし、集合したな!!今日からこの子がマネージャーをしてくれる。まだ慣れないだろうからこの１週間、体験入部の期間にする。しっくりきたならそのままマネージャーを努めてもらいたい｣


｢是非、マネージャーお願いします!!俺はこのチームの主将、赤木健太といいます｣


｢あ、あたしの名前は倉持明日香です。小学からずっと野球していました。訳あって野球ができなくなったんですが皆のサポートをしたいと思っています｣

元気な声であたしは部員全員に聞こえるくらいに言った。


するとさっきの主将の…赤木健太さんが

｢もしかして、甘夏高校の倉持さんですか？｣

といいながら首を傾げると、周りにいた部員も

｢だよな、見た目は変わったけど俺もそう思ってた｣


と続々ぼそぼそ呟いたのが聞こえてきた。


｢そうだよ。こいつがその倉持!!でももう野球はしない。俺がこいつの代わりにするからだ!!｣


先生は笑いながらそう言うと、皆げらげら笑いながらあたしを歓迎してくれた。

理由は聞かれなかったけど先生にそんなこと言われたらいちいちキュンと胸が締め付けられる。




部員の皆の自己紹介をして貰い今日は帰ろうと思い、荷物を持ち帰ろうとしたとき。



１人の男の子がこっちへ向かってきてあたしに一言すれ違い様に呟いた。
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