無償の想い

19 お昼ご飯

ご飯を食べながら武が私に質問してきた。

「なあ、麻美には兄弟とか居るの?」

「ん?私は一人っ子だよ。お兄ちゃんとかお姉ちゃんには憧れたなー。武は?」

「俺は姉ちゃんが一人。もう結婚して関西で暮らしてる」

「へー。意外。なんか弟が居そうな感じだけど」

「そうか?そんな事初めて言われたけどな。なんでそう思ったの?」

「なんか面倒見がいいし。会社の人とか・・堂島さんとかにもちゃんと気配りが出来てるって感じだし」

「そんな事ねーよ。どっちかって言うと俺はぶっきらぼうで大雑把なタイプだぞ」

「そういう所もあるけど、それ以外のところもあるよー」

「なんだよ。気持ち悪いな。そんなに褒めても何もでないぞ」

「別に褒めてるわけじゃないし。ってか何で兄弟の話とか聞いてきたの?」

「いやー何となく。居るのかなーって」

「なによそれ。ねえねえ!堂島さんとかは兄弟居るの?」

さりげなく聞いてみる私。

「えーっと充には妹と弟が居るかな。充の一つ下に弟、それから・・・高校生の妹が居るはず」

やっぱり昨日の人は妹さんだったんだ・・・って弟?

「弟さんも居るの?」

「弟さん『も』って何だよ。妹に会ったことあるのか?」

「え、あ、会った事ないけど・・何となく」

「まあこの弟が充にそっくりでなー今は何の仕事してるのかなー?」

堂島さんにそっくりなんだ・・・一つ下って事は私より二つ上かぁ。

「武と弟さんは仲良いの?」

「まあマブダチって程じゃあ無いけどな。昔はよく充と三人で遊んだもんだよ」
< 102 / 122 >

この作品をシェア

pagetop