[完] スマフォン忍者 HISANO

壱 本領発揮!?

 昨日準備をしていて三時間しか寝てない。そのせいで、今朝の朝練はいつもより悪かった。いつもより武仁に怒られた。

 だが、どんなに武仁に怒られても、寿乃は気にしない。
 むしろ、そんなのに構っていられない。

 だって今日は決戦の日。まぁ、また起こればの話だが。


 決戦の日の朝の教室に寿乃はいる。
 授業開始まで時間がたくさんあるから、そんなに人はいない。

 寿乃以外の人間は、勉強していて下を向いている。


――よし。――

 寿乃は意を決して立ち上がった。教室にある掲示板を目指して歩く。掲示板の前に着いた時、ちらりと後ろを振り返った。
 ほかの人は、相変わらず下を向いている。
 

――今だ。――

 微妙に取れそうなお知らせを直すふりをして、裏に画ビョウをつけた超小型識字化カメラを設置する。
 席に戻り、いつものようにスマートフォンをいじる。

 スマートフォンを見ると、今の教室の様子が写し出され、しかもしゃべり声が音を出さずにすべて字幕化されている。



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