ROSE~AI (ノンフィクション


「親父にさ・・・上手く出来ないなら、やめろって言われてて・・・」


「・・やめろ?」

首を傾げたアタシに、高貴が小さく笑った。


「バイオリン。」

「・・・・・・」

そんな事、
言われたんだ・・・

アタシは思わず俯く。


「コンクールで入賞しなきゃ、やめさせられるはずだったんだ。でも、その前に俺から逃げた。」


「手・・・痛めたんでしょ?」

遠慮がちにそう言ったアタシに


「関係ねぇ。ただそれを理由にしただけだよ。上手くいかねーから逃げただけだ。」


そう答えて俯く。


「好きで弾いてたのが、親父や家族にそう言われてからさ、怖くなって夢諦めて」


「・・・・・」


「このまま普通に大学行って、親父のコネでいー会社入って・・そうゆう風に将来は決まってたんだ。那智のせいじゃねぇよ。誰のせいでもない。俺が弱かったせい。」


「・・・・そんなの」




ムキになって言いかけた、
アタシの言葉を遮り、



いきなりスクッと立ち上がる


「耳かっぽじってよーく聴いてろよ!」


「・・・・・・」










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