ROSE~AI (ノンフィクション
やめた。
何してんだろアタシ。
手をひっこめて、眠る那智に背を向けた時。
「・・・・!!」
アタシの腰に絡み付く、太く逞しい腕。
驚いて振り向くと・・・
「残念。キスしてくれると思ったのに。」
「・・・・・・」
さっきの体制のまま、アタシを見上げた那智が居た。
「起きてたの・・・?」
呆れた顔で見下ろすアタシに、何も答えずに
かわりに、
後ろから
優しく抱きしめた。
「朝型人間だからね~仕事上。」
「・・・・・・」
答えになってないし。
てゆうか
何故朝っぱらからこんな状況なのか・・・
二人きりの部屋。
この前告白したばかりの人に・・・
ベットの上
優しく抱きしめられてる
二人の鼓動が重なる。
静かな部屋
小さな二人の鼓動だけが響いている様な錯覚。
「しばらく・・来なかったね?」
会うのはあの日以来になる。
「うん・・・」
アタシの問い掛けに、那智の抱きしめる腕に力が入る。
「・・・・何で?」
本当は
ずっと気になってた。
毎日顔を合わせてたのに、あの日以来那智は来なくなって・・・
もう会えないのかもしれないとも思ってた。
「あーやばいっ。そろそろ限界ですっ」
耳元でそう呟くなりパッとアタシを包んだ腕を離す。
「・・・・・・」
黙って振り返るアタシに、那智は細く笑みを浮かべた。
「このままじゃ襲っちゃいそう・・・」
「・・・・なっ」
目を見開き、顔を赤くしたアタシを見て、那智はクスクスと笑う。
完璧・・・
からかわれてる。
睨みつけるアタシに、那智は何故か少し、寂しそうにフッと笑った。
「本当に・・・そろそろさ。ちゃんとしなきゃね?俺ら・・・」