サグラダ・ファミリア
『まもなく、離陸、致します』
いよいよアナウンスが流れて、
ゴーッと地の底から来るような音が、
機内に響きだす。
足元が斜めになった。
飛行機が浮かび上がろうと、
重力と闘い始めたのだ。
その時、
ギュッ・・・、
と何かに、
手を掴まれて、
見ると、
狐が顔面蒼白で、
私の手に、
自分の手を重ね、下を向いている。
さっきまでの、
威勢の良い調子はなく、
小さな子どもみたいに、
プルプル震えている。
「狐?」
呼ぶと手を握る力を強めて、
もう片方の、あの大きな男の子の手で、
すっかり自分の顔面を隠してしまった。
もしかして・・・。
「飛行機怖いの?」
素直に、こくんと頷いて、
指の隙間から片目を見せた。
「ちょ、大丈夫?!」
「・・・手、離すなよ」
「離さないけど・・・っ、
・・・吐きそう?
エチケット袋、要る?」
「おい、登ってくぞ・・・!」
「そりゃ、飛行機だもん」
「し、死ぬ」
「死なないよ!」
*
機体が安定するまでの間、
緊張でガチガチの狐を構い続け、
手と手はすっかり汗でつるつるになった。
飛行機の上昇が終わっても、
狐は私の手を離そうとしなかった。
機体が安定して15分経過。
やっと、狐は私の手から、
自分の手を引っ込め、深く息を吐いた。
「ありがとな」
ぼそりと、礼を言って来たので、
私はチャンスとばかりに、
ヘッドフォンを装着して、
その言葉を無視してやった。
*
いよいよアナウンスが流れて、
ゴーッと地の底から来るような音が、
機内に響きだす。
足元が斜めになった。
飛行機が浮かび上がろうと、
重力と闘い始めたのだ。
その時、
ギュッ・・・、
と何かに、
手を掴まれて、
見ると、
狐が顔面蒼白で、
私の手に、
自分の手を重ね、下を向いている。
さっきまでの、
威勢の良い調子はなく、
小さな子どもみたいに、
プルプル震えている。
「狐?」
呼ぶと手を握る力を強めて、
もう片方の、あの大きな男の子の手で、
すっかり自分の顔面を隠してしまった。
もしかして・・・。
「飛行機怖いの?」
素直に、こくんと頷いて、
指の隙間から片目を見せた。
「ちょ、大丈夫?!」
「・・・手、離すなよ」
「離さないけど・・・っ、
・・・吐きそう?
エチケット袋、要る?」
「おい、登ってくぞ・・・!」
「そりゃ、飛行機だもん」
「し、死ぬ」
「死なないよ!」
*
機体が安定するまでの間、
緊張でガチガチの狐を構い続け、
手と手はすっかり汗でつるつるになった。
飛行機の上昇が終わっても、
狐は私の手を離そうとしなかった。
機体が安定して15分経過。
やっと、狐は私の手から、
自分の手を引っ込め、深く息を吐いた。
「ありがとな」
ぼそりと、礼を言って来たので、
私はチャンスとばかりに、
ヘッドフォンを装着して、
その言葉を無視してやった。
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