ねぇ、笑ってよ。
明るく照らす未来

中3の夏




先生も親もうるさいくらいに言う。
「お前らに夏休みわない。」と。
まるで、蝉のように。
「何年生??」と聞かれ、
「中3です。」と答えれば決まって
「あら、大変ね。受験生じゃない。」
と、返ってくる。

そんなの、十分にわかっている。
わざわざ言わなくたっていいんだよ。




「はぁ。もういやあ…受験生なんてやってらんない。」
ため息をつくのはわたし木更津架弥、中学三年生。
「ばーか。ため息つくと、幸せが逃げるっつ~の」
なんてゆうのは架弥の彼氏、山下笑汰。同じく中3。

「いーよ。うちは笑汰が隣にいるだけで幸せだもん。」
わたしは静かに呟く。
「ばーか。」
笑汰はそういい、架弥の頬をつねる。
「いはい。(いたい)」


友達にはよく、平気で好きとか言えるよね。とか
言われるけど…別に恥ずかしくないし、言わなきゃ
伝わらないとわたしは、思うんだ。



冷静で冷めてるなんてのも、よく言われる。





いま架弥と笑汰は夏休み。
そして、笑汰の家にいる。

架弥と笑汰の志望校は同じ。
付き合いたての時から一緒にしようと
約束していたのだ。





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