深海のサンドリヨン
▼I:人魚のお姫様



人魚の王の6人の娘たちの内、末の姫は15歳の誕生日に昇っていった海の上で、船の上にいる美しい人間の王子を目にします。

そして人魚姫は嵐に遭い難破した船から溺死寸前の王子を救い出した王子に恋をしてしまいました。

どうしても、人魚姫は王子を忘れることができず海の魔女の元に訪ねていき、声と引き換えに尻尾を人間の足に変える飲み薬を貰います。

その時に魔女は暗く、低い声で人魚姫に囁きました。

「もし王子が他の娘と結婚するような事になれば、お前は海の泡となって消えてしまうだろう。
それでもいいんだね?」

と。

更に人間の足だと歩く度にナイフで抉られるような痛みを感じる事になるとも。



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