深海のサンドリヨン

それでも王子様いられるならと、人魚姫は魔女の言葉を承諾し、いよいよ一緒に御殿で暮らせるようになった人魚姫でありましたが、声を失った人魚姫は王子を救った事を話す事が出来ないで、王子は人魚姫が命の恩人である事に気付きません。

そればかりでなく、王子は偶然浜を通りかかった娘が命の恩人と勘違いしてしまいます。

やがて王子はその娘と結婚式を挙げることに決めました。

悲しみ、歎く人魚姫の前に現れた姫の姉たちは、自分達の美しい髪と引き換えに海の魔女に貰った短剣を差し出し、王子の流した血で人魚の姿に戻れる事を教えます。

しかし…人魚姫はというと、愛する王子を殺す事の出来ず死を選び、自ら海に身を投げて泡に姿を変え、空気の精となって天国へ昇っていきましたとさ。

お終い




さて、これは六人の内の末の子の話。

今回のお話は二番目の子の話。

物語の幕は今、開く。