本当の僕を愛して?

偽りの兄




『おはよー迪流!
!はい、お見舞い。』

九条が見舞いに来た。

「…ありがとう」

『本当に…
何も思い出せないの…??』


「…あぁ…」

下手に演じてばれるなら
始めから記憶喪失の方が
演じやすい…

『いつか私のこと…思い出してよね!!』

九条は笑う。

『あ、私は 九条ゆずる!一応記憶がないんだもん自己紹介しなきゃね!』


「…九条さん」


『ゆずるでいいわ』


九条さんは僕の身の回りの世話を毎日した。

はたして、僕が“埜択”と言うことを知っていたなら彼女は毎日来たのだろうか…??


いや…無いだろう…


でも…
そう思っても…


希望を感じる自分が
どこかに居る…


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