SEVEN WINGS
「目の色が違うって……どういう意味?」
 そしたら、少し慌てながらも説明してくれた。
「比喩だよ。……何というか、いつもは馬鹿で弱くて、考えがひねくれても、澄んだ目をしてるんだけど……。さっきは、世界中を憎んでるような、絶望してるような、濁った目だった。まるで、来たばかりの頃みたいな?」
 それにしても、凄い言いよう……。あと、来た頃とか全く覚えてないんだけどな……。
 うーん。さっき、何を考えてたか良く分からない。
「今は戻ったから……、いいけど。壊したことも含めて、ルテイン様に謝って」
「え? 黙ってれば、ばれないから嫌だ。めんどくさい」
「そんなこと言わないの。悪いことは悪い。謝って!」
「嫌だ。疲れた。眠い。じゃあね」
僕は、逃げるようにそこから出た。途中「絶対謝らせるからね」と聞こえたけど、無視した。
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