王子と秘密の甘い時間。
「……じゃあ、私行くけど……、」
「はいはい。いってらっしゃい。」
私は、何か言いたげな顔をしている麻奈に、ひらひらと手を振って送りだした。
「……はぁ。」
私は気ままに校内をふらつくことにした。
ひゅー……どーん!!
廊下が、赤く染まる。
「花火……。」
私は窓の外を眺めた。
「綺麗……。」
どんどん打ち上げられていく花火を見て、思い出すのは慧斗と、文化祭ジンクスのこと。