2番目の恋人
近々新しい図書室が出来る予定で、こっちはあまり使われない。
湿気臭いところだけど、あたしにとっては数少ない安息の地。
中に入りドアを閉め、いつものように仮眠をとろうと本棚の後ろに行った。
そこまではいつもと一緒。
ただ、今日は一つだけ違っていた。
……誰?こいつ。
本棚に寄りかかって、眠っている男の人。
黒髪が開いている窓から入ってきた風で、ふんわり靡かされている。
男の人なのに、卑怯なくらい綺麗な髪……
眠っていても分かるくらいの美形。
こいつって……
「いつまで見てるわけ?」
――ビクッ!!
突然開いた瞳にビックリした。
驚きと同時に、息が止まった。
綺麗な瞳……
完璧な顔だと思った。
少し切れ目な瞳に、スッとした顔立ち。
そこらの芸能人に、負けていない。
「シカト?」
――ハッ
や、ヤバい。見とれてる場合じゃなかった……