2番目の恋人


近々新しい図書室が出来る予定で、こっちはあまり使われない。



湿気臭いところだけど、あたしにとっては数少ない安息の地。



中に入りドアを閉め、いつものように仮眠をとろうと本棚の後ろに行った。




そこまではいつもと一緒。



ただ、今日は一つだけ違っていた。




……誰?こいつ。


本棚に寄りかかって、眠っている男の人。



黒髪が開いている窓から入ってきた風で、ふんわり靡かされている。



男の人なのに、卑怯なくらい綺麗な髪……



眠っていても分かるくらいの美形。


こいつって……



「いつまで見てるわけ?」



――ビクッ!!


突然開いた瞳にビックリした。



驚きと同時に、息が止まった。


綺麗な瞳……



完璧な顔だと思った。



少し切れ目な瞳に、スッとした顔立ち。



そこらの芸能人に、負けていない。



「シカト?」



――ハッ



や、ヤバい。見とれてる場合じゃなかった……



< 12 / 339 >

この作品をシェア

pagetop