2番目の恋人


「なんか扱い雑になってるってことは、また彼女持ちだったわけ?」


「まぁね。」



バカな男。




彼女がいるのに、あたしに手を出そうなんて。



あたしは絶対に浮気相手にはならない。



絶対に……



「にしても、莉緒は毎回毎回、よく彼女持ちを引っかけるね―っ」



「好きで彼女持ちを引っかけてるわけじゃない。」



相手がたまたま彼女持ちなんだ。



「じゃあ、あたし行くわ」




「は!?行くってどこに!?ちょっ、莉緒っ!?」




詩織が止めるのも聞かずに、教室を出た。


次は政治経済。




あたしの一番苦手教科。



デフレやらインフレやら……




頭が混乱するって―のっ!



長い栗色の髪を耳にかけ、廊下を歩く。



行く場所は決まってる。



人が居なく、静かで何も言われないとこ……



――ガラッ



少し湿っぽい匂いがする部屋。



教室から少し離れた図書室。



って言っても、図書室より資料室に近い。



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