2番目の恋人
「あ、あたしは……家族で。」
たったの一回だけ来たことがある。
「へぇ―…家族か。うらやましいな。」
「うらやましい?なんで?」
家族で海がそんなに珍しいことなのだろうか?
「さっきも言ったけど、俺の親も兄弟もそうやって出かけるとか、なかったんだよね……」
「兄弟いたの?」
初耳だ。
「あぁ、弟が1人。」
弟くんか……きっと皐に似てるんだろうな―…
「その弟とも仲が悪くて。とても俺の家は家族には見えない」
『家族には見えない』
そのセリフがズキンと胸に来た。
「俺の弟さ、勉強も何もかも出来るんだよ。」
“俺に似て”そう言いながら砂浜に座った皐。
そんな皐の隣に、あたしも座った。
「でも俺が長男ってだけで、後継者扱い。だからきっとあいつは心の中では俺を恨んでいると思う。」