2番目の恋人
そんな静かな空間がなぜか胸にしみて、目の前がボヤける。
「莉緒……」
優しい皐の声が聞こえ、ゆっくりと顔が近づいてきた。
そして、そのまま唇は塞がれた。
「んっ……」
ほんの一瞬、触れるようなキス。
「皐……」
そっと離れた皐の唇を見つめる。
「彼女のこと……大切なんだ……」
あなたはどこまでも優しくて……
どこまでも酷くて……
――どこまでも残酷な人だ
「ごめんな。莉緒」
でも、そんなあなたを愛しく思ってしまうあたしは……史上最高のバカなんだと思う……