2番目の恋人
「ごめん……莉緒」
彼の……皐の指に嵌まっていたのは……
――恋人の証の指輪だった
キラキラと夜の海でも光るような、綺麗な指輪。
「ごめんな。」
……なんで謝るの?
もうそのセリフ、聞き飽きたよ……?
「ごめん、莉緒」
謝るくらいなら……
謝るくらいなら………
「最初から、出会わなければよかった」
キラリと光る指輪が憎たらしくて堪らなくなった。
今すぐこの薬指から抜き取って、海に投げ捨てたかった。
「酷い……よ」
出会ってこんな短期間であたしの心を掴んで……
捕らえて離してくれないくせに……
「彼女のこと……愛してるの……?」
「………」
何も言わない皐をただ、黙って見つめた。