ぼくらのハーモニー Ⅲ

・・・なんでこんなことになってるんだろう。

私はバスの中ため息をついた。

即興で弾けるわけでもない。

むしろ無理だ。

なのに、うちを必要としてくれている。

・・・絶対なんかあるんだろうな。

「あ、南方。」

後ろから声が聞こえた。

「あ、よす。」

「今、バス停から乗ってきたんだ。・・・って説明しないとダメそうな感じがした。」

「あ、そうだね。」

「・・・って。どした。」

「え?」

彼は、東上海斗。

「・・・ま、いーけど。」

・・・。

「てか、塾?」

「まぁな。」

「夏期講習とか?」

「講習は終わったけど、授業なんだ!」

「大変だね。」

「受験生だからな。南方は?」

「・・・勉強じゃないこと。」

「オッ!デートか!?」

「誰とだよ。」

「え?原。」

「?!」

なんで・・・知ってるの?

「あれ?付き合ってんだろ?」

「どこ情報・・・?」

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