ぼくらのハーモニー Ⅲ
5 yuzuki minakata
「自分で追いかけなければかえってこないと悟ります・・・。」
つぶやいてみた。
追いかけないとかえってこない。
まぁそりゃそうなんだけど・・・
「先輩・・・それなんですか?」
「え?」
「悟るとかなんとか。」
「あー・・・色々。」
「先輩ホント変です・・・。」
そういって朱莉は、トランペットを構えた。
「練習しましょう。」
「うん。じゃあ、56小節目からいきます。」
「ハイッ!」
だめだ・・・
コンクールに専念しなきゃ・・・。
「先輩ッ!」
「え?!」
朱莉が叫んだ。
「何考えてるんですか?!」
「あ、ゴメンゴメン。」
「私達、コンクールでしょ?!コンクールより考えることあるんですか?!」
「・・・ゴメン。」
「先輩最後じゃないですか!」
「・・・。」
「・・・私、負けて引退されるの嫌です。」
「うん。」
「先輩は、部活より恋愛ですか?」
「・・・え?」