私と彼の歩く道


ため息混じりに言うと、思いの外、郁斗はあっさり引いた。


「じゃあ、いいや。悪かったな。呼び止めて」


「う、うん。じゃあね」

小走りで立ち去りながら、心の中にいる郁斗を追い出した。


振り回されちゃダメよ。

押したり引いたりが、上手そうな人だもん。


私は、受験の事だけ考えてればいい。


だから、次は無視をしよう。


うん。


それがいい…。




< 20 / 203 >

この作品をシェア

pagetop