私と彼の歩く道


「ビックリした~。脅かさないでよ」


本気で、心臓が破けるかと思った。


「ビックリしたのは、こっちだよ。何でお前がここに?」


「え?えっと…、道に迷って…」


自分でも、苦しい言い訳だと思う。


だから、きっとまた、郁斗にからかわれる。


そう思ったのに、予想に反して、郁斗の顔は険しくなった。


「だったら、道教えてやるから、早く帰れ」




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