近くに居るのに。



―バタン


ドアが大きな音を立てて閉まった。


ゆっくりと階段を下りていく音が遠くから聞こえた。


「うぅ……」


うちはそのままピンクのカーペットが引かれる床の上に座り込んだ。



しんが転校してきてまだそんなに立ってないのに付き合えて……


まだ一週間も立たずにうちら終わるんだ。



「いやぁ……だよ…しん…」



うちは首に付けてあるネックレスのハート型のリングをぎゅっと握りしめながら泣いた。





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