きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
5・白いシャツの彼女の存在を知ってしまう

「ジュンちゃん
猫君とセックスした?」

思わず
口に含んだ梅酒を
吹き出しそうになる


「いきなり、何を言い出すんですか」


我慢したから
鼻の奥が炭酸で
ツーンとする


涙目になっていると


ハハッ
と笑って

背広さんが髪をかきあげた


「…セクハラになっちゃうか」


ニコニコして
組んだあぐらに肘をついて

頬杖をつく
彼は


お酒がはいってるからか少し色っぽい


私は答えずに
曖昧に笑みを返して


目の前の小さな炎を
見つめた


それはとっても
綺麗で


「キャンドル持って来たのは正解ですね!」


こないだの事があったから

お互いの部屋には
入りにくかったので


背広さんの提案で

レジャーシートと
キャンドルを持って


アパートの前の小さな庭でお酒を飲むことにしたのだ


「気に入ってくれてよかった」


そう言って彼は
早くも


2本目のビールの
プルタブを
あけている


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