超硬派彼女
新たな苦悩

ジレンマ

デビューシングルは新曲を書き下ろすようにロニーレコードから要請されていたが、俺はネットからの中傷の恐怖から曲が書けなくなっていた。


「ダメだ、こんな歌詞じゃまた叩かれる。クソッ、一体どうすりゃいいんだ」


様々な人間達の期待と、待ち構える不安材料の板挟み。


俺はますます追いつめられていた。


そんな時、真琴が声を掛けてきた。


「健斗さん、義春さんから聞きましたよ!ついにメジャーデビュー決まったんですね!おめでとうございます!!」


「ああ・・・」


「ウチでお祝いしましょうよ!いつものお礼も兼ねて、ウチが腕振るいますよ」


「いや、ちょっと遠慮しとくわ。しばらく一人にしてくれ」


「健斗さん・・・?」


俺はその場を後にした。
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