air
「じゃあ俺行くわ」
「あ、うん。部活頑張ってね」
児玉くんは体育館の扉に手を掛けてあたしに背中を向けながら頷くと、そこから扉を開けて中に入っていった。
あたしも続いて体育館に入ると、今にも微笑んでしまいそうなくらい緩くなった筋肉を引き締めて真剣な顔をし、あたかも急ぎましたをアピールしながら練習に戻る。
なんだ、これは。
さっきまで落ち着いていて自分からも話しかけることだって普通に出来たくせに、今更になってドキドキしてきた。
あー、にやけちゃいそう。
テンション上がってやばいんですけど。
チラッと児玉くんを見てみると、もう着替え終わって練習に参加していた。
さっきまで会話してたんだ……。
なんか夢みたい。