air
前から順々に配られてくる手紙に目を向ける。
靴箱隣だったから、絶対同じクラスなんだと思うんだけどなあ……。
あたしは前から来た手紙を受けとると、あたしの分1枚だけ取って後ろに回すために振り向いた。
(あっ……)
あたしが振り向いた瞬間に目に入ってきたのは、さっきの人。
なんかわかんないけど目が離せなくて。
あたしが見ていたからか、その男子と目が合った。
金縛りにあったかのように動けなくて、あたしに何か考える余裕すら与えない。
やっと動けたかと思ったのは、その人に目を逸らされた後で。
あたしはまたさっきのように前を向くと、先生の話に集中するようにする。
……けどやっぱりあの男子から頭が離れない。
クラスにいないと思ったら、あたしの斜め後ろだったんだ。
そりゃ見つからないわけだよね。
どうしよう。
なんか無性に振り向きたい気分。