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でも今振り向いたら、明らかにおかしいよね?

目の前では先生が部活動について必死に話しているのに。



てかあたしあの人の左斜め前の席……てことは、角度的に先生の方を見れば自然とあたしも視界に入るわけで。


変な事出来ないなー……。




「じゃあ5.6時間目から授業始めるから、それまで入る部活や選択授業決めとくように」




先生はそう言い残すと教室を出ていってしまった。


時計を見るとまだ9時過ぎたばかり。

ということは、ほぼ1時間目から昼休みが終わるまで自由時間ってことだ。




「花菜は部活何入る?」




そう聞きながらあたしの机の周りに来たのは、千夏と真帆。

あたしは常にこの2人と沙織と行動している。



千夏はみんなからあたしが付けた、ちなってあだ名で呼ばれている。

髪はストレートロングで大人しげだけど結構笑ったりするし、どこか可愛げなオーラを放っている。


真帆は背が高くてスタイルがよくて、よく気も利くしお姉さんタイプ。


沙織は落ち着いているけど騒ぐ時は騒ぐし、けじめがある。

多分クラスでは1番仲いいかな。


それであたしはこの中で1番元気でバカっていう定位置にいて。

バカって真帆に言われてからみんなバカ呼ばわりするから、ちょっと最近拗ね気味だけど。



それでも高校に入ったばっかりでこの3人の友達に出会えて良かったと思う。


いい人達だから、絶対に仲は壊したくないなって今からでも考えているんだ。




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