ツンデレの涙

「いったーーっ!何だよ凶暴おんな!!」


走り出す悠斗。悔しくなって追いかけるあたし。




「あ・・・」




だめだぁーーっ。足がぁもつれるぅぅ。なんで酔ってるんだアタシ!!




フラフラして転びそうになるアタシを起こしてくれたのは、あの悠斗。



「もぅっもぅっ大丈夫よぉ!アンタなんか!」




ジタバタと両手を挙げて暴れてみた。凶暴さが増すアタシ。もう手が付けられないねっ。



仰け反っても抜けようとしても悠斗は離してくれない。




「ばかばかばかばかぁー!」

「はぃはぃ。凍死しちゃうよぉ~」




ずるずると引きずられて歩き出す。

往生際の悪いアタシはこんな事まで言い出す。




「もぅ。なんでさっさと帰らないの?馬鹿ねぇ」




肩を貸してくれる人に向かって、とてもじゃないが言える言葉じゃない。


< 11 / 136 >

この作品をシェア

pagetop