Rose of blood *short story*
シエルは立ち上がると、私の涙を微笑みながら優しく拭ってくれる。


そしてそっと唇を重ね私たちはキスをした。


ライトアップされて、キラキラと輝いているバラたち。


まるで私たちの事を祝福してくれているようだった。



『ローズ、誰よりも幸せにしてみせる。ずっとずっと一緒にいよう』

「うん、ずっとずっと一緒だよ。もう絶対に離れたりしない」

『子供が生まれたら式を挙げよう』

「うん」



嬉しすぎて涙が止まらない。


何度拭っても零れ落ちる。


シエルは笑いながら涙を拭ってくれる。



『本当にローズは可愛い』

「ッッ////」

『一目惚れだった』

「えっ?」



シエルの顔を見ると、ほんのり赤くて照れくさそうだった。


恥ずかしかったのか、顔が見えないよう抱きしめられる。


私は笑いながらシエルを抱きしめ返した。



「私も一目惚れしたの…シエルに」



私の言葉を聞くと、シエルは体を離し私の目を捉える。






私たちは暫く見詰め合い、再びバラ園の真ん中で長い口付けを交わした。






Fin.
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